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2021.7.12

社会リハビリテーション論⑫

第12回社会リハビリテーション論の講義は、「保健医療福祉と社会リハビリテーション」というテーマで行いました。担当は、宮崎清恵です。

今回の講義では、以下の内容を取り上げました。

① 社会福祉実践とソーシャルワーク
② 保健医療福祉と医療ソーシャルワーク
③ 医療ソーシャルワークの起源と歴史
④ 事例を通して医療ソーシャルワークを理解する。
⑤ 事例を通してチームにおける社会福祉専門職の役割を理解する。
  
社会福祉実践とは、様々な生きづらさ(生活障害)を抱えた人々が社会で役割を持ちながら社会参加することを支援する実践(個々人への相談支援)および生きづらい社会環境(制度・施策、ケア・サービス、地域社会の意識・態度)を改善・変革するために働きかける実践(共に生きる社会を形成していくための働きかけ)です。ソーシャルワークとは専門的な知識や技能を用いて行う専門的な社会福祉実践であり、社会福祉士という国家資格を得た人がソーシャルワーカーと呼ばれています。
 保健医療福祉とは、社会生活の中で疾病や傷病の発生という事態が生じた時に、どのように生活を円滑に継続させていくかを個人の主体性を支える視点から援助する社会福祉の一分野です。そして保健医療機関でソーシャルワークを行う人を医療ソーシャルワーカーと呼んでいます。すなわち医療ソーシャルワーカーとは病院等の保健医療の場において、社会福祉の立場から患者のかかえる経済的、心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る職種として厚生労働省は位置づけています。
 次に医療ソーシャルワーカーの起源と歴史を概説しました。1895年にイギリスのロイヤルフリーホスピタルに、また1905年にアメリカのサチューセッツ総合病院に現在の医療ソーシャルワーカーにつながる職種が誕生しました。日本でも1919年に泉橋慈善病院に病院相談所が設置されました。その後紆余曲折がありましたが、現在日本では病院で多くの社会福祉士(医療ソーシャルワーカー)が活躍しています。
 具体的な事例を2つ取り上げて医療機関でのソーシャルワーカーの働きについて説明しました。1つ目の事例は、17歳の時に足の難病を発症され、ソーシャルワーカーの支援を受けつつ、長い闘病生活を経て医療ソーシャルワーカーになられた方の事例です。2つ目の事例は、腎臓の移植手術を2回受けられた方でソーシャルワーカーが移植チームにおいて役割を発揮した事例です。
 これからの大学での学びにおいても事例から多くを学んでいただければと思います。

                               (文責:宮崎清恵)                                                                                                                                              

神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 社会リハビリテーション学科(※神戸学院大学総合案内ページへリンクします)

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